インプラントをするとMRIが受けられないの？


皆さん、こんにちは。福岡市西区の昭和歯科・矯正歯科です。今回は、「インプラントをするとMRIが受けられないの？」という疑問にお答えします。インプラント治療を検討されている方の中には、MRI検査を受ける際に不安を感じる方もいらっしゃるかと思います。この記事では、インプラントで使用する金属の特性や、MRI検査との関係について詳しく解説します。

 

▼インプラントで使用する金属について

 

インプラント治療は、歯を失った部分に人工の歯根を埋め込む治療法です。インプラントに使用される金属は主にチタンです。チタンは、生体適合性が高く、人体に対して非常に安全な材料です。そのため、インプラント治療において広く使用されています。また、チタンは強度が高く、長期間にわたり安定して機能するため、インプラント治療に最適な材料と言えます。

 

◎チタンの特性

 

チタンは非磁性体であり、磁気に反応しない特性を持っています。これにより、インプラントが体内に埋め込まれていても、MRI検査に影響を与えることはありません。しかし、インプラントには金属の接合部やアバットメントと呼ばれる部分も含まれており、これらの金属部品がMRIにどのように影響するかを理解することが重要です。

 

▼MRI室には金属を持ち込めない理由

 

MRI（磁気共鳴画像）検査は、強力な磁場を利用して体内の画像を取得する医療技術です。MRI室には非常に強力な磁石が使用されており、金属を持ち込むことは危険です。強力な磁場が金属を引き寄せたり、移動させたりするため、患者さんや医療スタッフに対して重大な事故を引き起こす可能性があります。

 

さらに、金属がMRI画像に干渉することも問題です。金属が体内にあると、画像にノイズやアーティファクトと呼ばれる影響が現れ、診断が難しくなることがあります。これが、MRI室に金属を持ち込まない理由の一つです。

 

▼インプラントをしてもMRIは受けられる

 

では、インプラントをしている場合、MRI検査を受けることはできるのでしょうか？結論から言えば、インプラントをしていてもMRI検査を受けることは可能です。先ほど述べたように、インプラントに使用されるチタンは非磁性体であり、MRIの磁場に反応しないため、安全に検査を受けることができます。

 

実際、多くの患者さんがインプラント治療を受けた後でも、問題なくMRI検査を受けています。ただし、インプラントの位置や状態によっては、医師と相談し、適切な対応を取ることが重要です。例えば、インプラントの周囲に炎症がある場合や、他の医療機器が併用されている場合は、事前に医師に伝えることが必要です。

 

▼インプラントでMRIが受けられないケース

 

一般的には、インプラントが原因でMRI検査が受けられないことはほとんどありませんが、稀に特定の状況下では注意が必要です。例えば、インプラントの一部に鉄を含む金属が使用されている場合や、インプラントが不適切に設置されている場合などです。また、非常に古いタイプのインプラントや、特殊な合金を使用したインプラントの場合も、MRIに影響を及ぼす可能性があります。

 

また、他の医療機器や装置が体内にある場合、これらがインプラントと相互作用し、MRIに影響を与えることがあります。このような場合は、事前に医師と相談し、適切な対策を講じることが必要です。

 

▼特殊なインプラント治療について

 

インプラントには、インプラントオーバーデンチャーという特殊な治療法も存在しています。標準的なインプラントとは異なる面があるため、MRI検査の際に配慮が必要となります。

 

◎インプラントオーバーデンチャーの特徴

 

インプラントオーバーデンチャーは、インプラントを支えとして使用する取り外し可能な入れ歯です。この治療法は、安定性が高く、噛み合わせがしっかりしているため、多くの患者さんにとって快適な選択肢となっています。インプラントオーバーデンチャーの最大の特徴は、その上部構造が着脱式であることです。これにより、日常の手入れが簡単で、口腔内の衛生状態を保ちやすいという利点があります。

 

◎インプラントオーバーデンチャーとMRI検査

 

MRI検査時には金属を持ち込むことができないため、インプラントオーバーデンチャーのような金属を含む上部構造は、事前に外さなければなりません。これは、強力な磁場が金属を引き寄せたり、移動させたりする可能性があるため、患者さんの安全を確保するために必要な措置です。

 

インプラントオーバーデンチャーを外すことにより、MRI検査中のリスクを最小限に抑えることができます。検査前に歯科医師や技師に相談し、適切なタイミングでオーバーデンチャーを取り外すようにしてください。検査が終わったら、再び装着することで、日常の生活に支障をきたすことなく、インプラントの利点を享受することができます。

 

◎オールオン4との違い

 

一方、オールオン4は固定式のインプラント治療です。この治療法では、4本のインプラントを利用して全ての歯を支える構造になっています。オールオン4は、固定式であるため、MRI検査時に特別な配慮が必要ありません。チタン製のインプラントは非磁性体であり、MRIの磁場に影響を受けないため、安全に検査を受けることができます。

 

オールオン4のような固定式インプラント治療を受けている患者さんは、MRI検査を受ける際に特に心配する必要はありません。ただし、インプラントの位置や他の医療機器との相互作用については、事前に医師に相談し、必要に応じて適切な対応を取ることが重要です。

 

◎適切に対処しましょう

 

インプラントオーバーデンチャーを使用している場合、MRI検査の前に必ず上部構造を外すことが求められます。これは、MRI検査中の安全を確保するために不可欠な措置です。一方、オールオン4のような固定式インプラントの場合は、特別な配慮が必要ありません。インプラント治療を受けている患者さんは、事前に医師と相談し、適切な対応を取ることで、安全にMRI検査を受けることができます。

 

▼CT検査は受けられる？

 

インプラント治療を受けている患者さんにとって、CT検査についての疑問もあるかもしれませんが、その点はご安心ください。インプラントをしていてもCT検査は問題なく受けられます。

 

インプラントに使用されるチタンは、CTスキャンに影響を与えることはありません。CTスキャンはX線を利用して体内の断面画像を取得する技術であり、磁場を使用するMRIとは異なります。そのため、インプラントがCTスキャンの結果に干渉することはなく、正確な画像を得ることができます。

 

インプラント治療後でも安心してCT検査を受けることができるため、必要な検査や診断をスムーズに行うことができます。インプラント治療やCT検査について不安がある場合は、昭和歯科・矯正歯科までお気軽にご相談ください。皆さんの健康と安全を第一に考え、最善のサポートを提供いたします。

 

▼まとめ

 

インプラント治療を受けた方でも、基本的にはMRI検査を受けることができます。インプラントに使用されるチタンは非磁性体であり、MRIの磁場に影響を受けないためです。ただし、インプラントの状態や他の医療機器の影響を考慮し、医師と事前に相談することが重要です。インプラント治療を検討されている方や、すでに治療を受けた患者さんは、安心してMRI検査を受けることができるよう、正しい情報を持って対応することが大切です。皆さんの健康と安全を第一に考え、適切な治療と検査を受けてください。